「kintone Café 福岡 Vol.3」が開催されました

 先日、kintone等サイボウズプロダクトの開発者コミュニティサイト「cybozu.com developer network」が開設半年で遂に登録メンバー数1,000ID超えを達成し、全国での「kintone Café」開催も16件、参加者数が延べ250人に達したとのニュースがサイボウズさんからプレスリリースされていました(「kintone Café 福岡 Vol.1」の様子も掲載頂いていました)。

 

「cybozu.com developer network」登録メンバー数の推移

(「cybozu.com developer network」登録メンバー数の推移:サイボウズプレスリリースより)

 

 そんな発表の翌日10/24(金)、福岡では「kintone Café 福岡 Vol.3」が開催されました。前回7/11のVol.2から約3ヶ月振りの開催となりました。

 今回も関係者含めて20名ほどのご参加を頂きました。事前情報からエンジニアの方が半数程度と想定していましたが、会場での挙手によると1/3くらいだったと思います(みなさん、遠慮されたのかと)。また、これからkintoneを活用/提供したいという、どちらかというとビギナーよりの方が多い印象でした。ご参加頂きました皆様、ありがとうございました。

 

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 (今回は、勉強会の利用も多いコワーキングサロンOnRAMPでの開催)

 

 今回は、前回に続き本家サイボウズさんの協賛に加え、東京のkintoneエバンジェリスト四宮さんジョイゾー)、福岡のエバンジェリストである久米さんAISIC)と山下が参加し、kintone RubyGemsの作者である川上さんニシム電子工業)にもLTでお話頂き、バラエティーに富んだ内容となりました。

 

【今回のメニュー】

  • kintoneとは?サイボウズクラウド事業への取り組み(サイボウズ 佐藤さま)

  • こんな案件でkintone導入してきました!(AISIC 久米さま)

  • 完全定額!kintoneだからできる新しいSIビジネス(ジョイゾー 四宮さま)

  • kintone JavaScriptカスタマイズハンズオン(山下)

  • RubyREST APIクライアントの紹介(ニシム電子工業 川上さま)

   ※イベントページ → http://kintone-cafe.doorkeeper.jp/events/15820

 

 山下から簡単にご挨拶させて頂いた後に、kintone Café最多出席を誇るサイボウズ佐藤さんの安定のイントロパートでスタートです。

 

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 「kintone Café 松山」と同様に、サイボウズプロダクトの簡単な説明に続けて、kintoneの基本機能である

  • データベース
  • ワールフロー
  • コミュニケーション

によって実現される「PDCAフレームワーク」についてのお話に、kintoneがフィットする/している市場、活用ニーズの高いアプリ群についてご紹介頂きました。

 

 続く2番手として、8月からkintoneエバンジェリストになられたAISICの久米さんの登場です。「こんな案件でkintone導入してきました!」ということで、「体操教室」、「物流」、「不動産」等適用分野も多岐に渡っていましたが、MindMeisterでkintoneの導入事例を「導入前の課題」と「導入後の改善効果」を示しながら分かりやすく解説頂きました。挙げられたkintone活用ポイント(事例を通しての共通点)は、

  1. 拠点や人が分散する状況下で、なかなか統一化が出来ないフォーマット、同時入力も難しく、つまり業務形態・共有に向かないExcelからの脱却
  2. 共有しながらも、必要に応じて適切なアクセス権限管理
  3. モバイルと写真等の添付ファイルによる高速な情報共有
  4. 紙情報の電子化
  5. 要件定義不要・ユーザーと対面で話しながらのアプリ作り
  6. kintoneという枠組み(ある一定の条件とトレードオフ)を生かした提案

という感じだったと思います。締めのスライドで「こんな会社にkintoneは刺さる!」と表現されていた項目に幾つか補足されていた点を私が覚えている範囲で追記させて頂きました。

 「IT自立支援」を掲げられている久米さんですが、ユーザーさんの声を聞き、一緒に業務設計やアプリ作成を進め、ユーザーさんのITへの敷居を下げ容易に活用できるように、というような久米さんの思いに触れさせてもらえるような、非常に共感できるポイントばかりで、頷きながら聞かせて頂けた内容でした。また、現在進行中の案件も幾つかあられるそうで、今後の展開が楽しみです。

 

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 次に3番手、kintoneエバンジェリストの中でアウェイのkintone Caféへの出席率No.1を誇るジョイゾーの四宮さんへバトンタッチです。

 実際のkintoneの画面(データはデモ用)による事例紹介では太陽光インテグレータの「カナディアンソーラージャパン」さんとゲームで有名な「ワンオブゼム」さんの2件をご紹介くださいました。前者では申請書類のフォーマットであるExcelとの連携、後者では折れ線とガントチャートによる事業管理とkintoneのカスタマイズ機能を活用した「業務プロセスのファストなシステム化」の好事例だったと思います。

 更に内容は完全定額!kintoneだからできる新しいSIビジネス」というタイトルの核心に迫り、納品のない受託開発」、「システム・インテグレーション崩壊等、最近のSI・受託に関するトピックに触れつつ、ご自身の視点・実践のポイント(ノウハウ)として、

  • 「人月単価」から「技術力・ノウハウ重視」へ(納期をかけなくても認めてもらえる価値のあるシステムの提供)
  • 対象部門が「情シス部門」から「業務部門」へ(クラウドなのでサーバ不要)
  • ウォーターフォール」から「アジャイル」へ
  • 「ボリューム満載なドキュメント納品」から「ドキュメントのオプション化」へ

を挙げられ、kintoneを活用した「来店型」で「39万円ポッキリ」の中小企業向けの定額業務システム開発サービスシステム39コンセプトムービーBCNセミナー 等最近の取り組みをお話し頂きました。より詳しいお話は「cybozu.com conference 2014(東京・大阪)」でお聞きできると思いますので、kintoneやSIビジネスの潮流に興味をお持ちの方は、足を運ばれてはいかがでしょうか。

 

 ここまでは割とkintoneを活用したビジネスといったトピックでしたが、ここから技術よりのトピックに移っていきました。

 

 まずは、「kintone RubyGems」の作者であるニシム電子工業の川上さんです。

 kintoneのRubyREST APIクライアントである「kintone RubyGems」について、現状の対応状況とこれからの開発展望についてお話頂きました。kintone公式SDKとしてJavaiOS、Goがあり、有志サードパーティSDKRuby、.NET、Rと幾つかありますが、アップデート・メンテナンス頻度の高さRubyならではのコンパクトさを PRされていました。kintone Café 松江(動画)でサイボウズの浅賀さんもRaspberry Piからのkintoneへのアクセスに利用され「わずか4行でkintoneにアクセスできる」と紹介されていました。

 また、目玉機能としてRubyでクエリが記述できる「Query Helper」の紹介がありました。便利そうな機能だなぁと思っていたら、後ろから久米さんの「あつい」という心の声が漏れてきたような囁きが聞こえてきました。最後に、現状の課題としても挙げられていましたが、ファイルAPIの実装を含め今後更に便利な関数群が実装されることを期待したいと思います。

 

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 最後に山下ですが、今回こそはハンズオンをと思っていましたが、やはり時間が足りずデモまでとなってしまいました。ハンズオンのためにPCをお持ち頂いた方、申し訳ございませんでした。お詫びと言ってはなんですが、当日お話できなかった分スライドも追記して、サンプルアプリ(GitHub)も公開させて頂きましたので、ご覧頂ければと思います。

 

 

 山下からはJavaScriptカスタマイズの例として、「kintone Café 松山」の延長でもある「kintone.proxy()を活用したkintoneによるサーバレスマッシュアップのコツ」のようなものをご紹介しました。kintoneのカスタマイズ用JavaScriptから外部サービスに向けたAPI連携を可能としているkintone.proxy()という仕組みを利用しています。通常クロスドメインを許さないJavaScriptからREST APIを叩けるという、フィットすれば本来サーバーが必要になるような開発がサーバーレスで出来てしまう優れ機能の活用例でもあります。

 今回のCaféでは、なんだかんだで問い合わせも多いメール送信のサンプルをSendGridのAPIで実現する例をご紹介しました。GaroonやサイボウズOfficeにある電話メモをkintoneでもというシナリオです。kintoneであれば、APIを使い分けてメール・音声メッセージ・SMS等メディアを選択できるような「"拡張"電話メモ」アプリなんかもいいかもしれません(無駄に不要な機能を追加する必要はありませんので、必要に応じて)。

 

 

 今回も内容盛り沢山の長丁場となりましたが、前回と参加者の顔ぶれも少し変わったりと、福岡でのkintoneのコミュニティも広がりつつあるのかなぁと感じました。また、今回は懇親会にも多数ご参加頂き、夕方のCaféの話の続き等kintone談義は絶えることなく、夜の部でも親交を深めることができました。

 

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 最後に、次回もまた更にkintoneやCaféに興味を持って頂ける方が増えることを願いながら、益々進化し続けるを、福岡・九州からも皆で盛り上げていきたいと思っていますので、今後ともよろしくお願い致します!

 


今回のカフェスイーツ

 今回は、サイボウズさんより東京スカイツリークリスピーショコラをご提供頂きました。

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ありがとうございました。