fukuoka.Rで「kintoneと統計ソフトRの連携」について発表しました

 7/12(土)、福岡女子大で開催された「R勉強会@福岡(fukuoka.R) #2」で「kintone REST API client package for R」というタイトルで、パッケージの紹介と「kintoneと統計ソフトRの連携」についてお話しさせて頂きました。前日の「kintone Café 福岡 Vol.2」からの連投でしたが、楽しみに行ってきました。

 同パッケージは「kintone@CRAN」と「r-kintone@GitHub」にそれぞれ公開されています。

(Rとkintoneの連携イメージ)

 

 少し長くなりますが、経緯からお話しさせて頂きたいと思います。

 ことの始まりは、今年の3月頃にサイボウズクラウドデータベースサービスkintoneに入れていたM2M関連のデータから何からの傾向を掴めればと思ったのが、始まりです。Rや統計についてもいまだ素人同然ですが。

 まずは、Rから「kintone REST API」をリクエストしてみようと、RCurlというcURLベースのRパッケージを使って色々リクエストコマンドを試していました。

(RによるkintoneへのシンプルなHTTPSリクエスト:GET/records)

 

やっているうちにコード量も増え、関数化したりしたくなってくる訳です。それから、すぐにCRANの公式パッケージとして申請しようとパッケージ作成を始めました。

 

 パッケージが出来上がるとCRANに申請して、レビューにパスすると公開されます。この時の話はまた別にまとめさせて頂きたいと思っています。公開されると、パッケージ一覧ページに掲載され、Rのコンソールからのインストール(install.packagesコマンド)が出来るようになります。これはなかなかの感動の瞬間でした。

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CRAN中のkintoneパッケージのページ

 

 パッケージの申請がパスしてからはひとり細々と使っていたのですが、福岡でもRの勉強会があるということで、今回手を挙げて発表してみようかと思い立った訳です。

 発表のアジェンダは次の通りです。

  • kintoneの概要
  • 「R × kintone」連携・ライブラリ(パッケージ)

  • ライブラリ(パッケージ)の使い方

  • 活用事例、その他の活用例

(発表スライド)

 

kintoneの概要から入り、ライブラリ(パッケージ)の紹介を経て、実際の活用事例についてお話しさせて頂きました。統計やRの使い方としては、初歩の初歩の内容だと思いますが、

  • kintoneの名前は聞いたことがあったので、パッケージと一緒に使ってみようと思った
  • kintoneのアプリ作りに興味が湧いた
  • パッケージの作者から話が聞けてレアだった(日本人の作者は少ないそうです)
  • パッケージ作成時の話が参考になった
  • 太陽光の事例の話が面白かった

等の感想を発表後に頂きました。他にもkintoneへのご質問を個別に頂いたり、「もっとこういう機能を足した方が良い」、「他のライブラリとの住み分けをもう少し明確にした方が良いだろう」、「こう説明するとRユーザーには伝わりやすいだろう」等の意見も頂きました。発表させて頂いたことで、このような反応を直に得られたのも今回の大きな成果でした。

 

 現在私が考えるユースケースは、スライドでもご紹介していますが、コミュニケーションを得意とするkintone統計データを扱うRの組合せですので、

  • 教育・研究機関
  • 分析分野(大容量分析基盤としてkintoneを使おうという意味ではありません)

でフィットするのではないかと考えています。GitHubにも使用例を掲載していますので、利用用途をイメージしてもらうのに、覗いて頂ければと思います。初歩的な散布図、相関値を見るだけでも成果になるときもあることに気付けたのも新しい発見でした。簡単でも、やるかやらないかだけで大きな違いになるのかなぁと感じました。

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GitHub利用例ページ

 

 一方で、kintoneと分析ツールという意味では、QlikViewとのkintone連携ソリューションのようなサービスがありますので、パッケージングされたものが欲しいという際には、このようなサービスをお使い頂くのが良いかなぁと思います。 

 

 今後は、統計やRのスキルについては基本を押さえながら、必要なネタが生じた都度勉強していくことになると思いますが、パッケージについてはkintoneやRの進化に合わせてアップデートしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。